第4類危険物とは?
まず「第4類危険物とは?」
- 第4類危険物は「引火性液体」である。これらは、ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコールなど、火をつけると燃える液体で、危険物のなかでは種類も取扱い量も多く、もっとも身近な危険物といえるでしょう。
第4類に共通する特性について
「第4類に共通する特性」を覚えて合格率アップ !!
- 第4類の危険物は?
- 1. すべて可燃性・すべて液体
- 2. 水より軽いものが多い
- 3. すべて蒸気は空気より重い
- 4. 水に溶けないものが多い
- 5. 電気の不導体が多い
- 6. 静電気が発生しやすい
- 7. 二硫化炭素以外の発火点は100℃以上 ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 二硫化炭素の液比重は水より重い ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 第4類の危険物の蒸気(比重)は、すべて1以上で空気よりも重い(空気=1) ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 二硫化炭素の発火点は90℃で、100℃以下は他にない ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 動植物油のアマニ油、キリ油等は、自然発火しやすい。それ以外の第4類は、石油製品を含めて自然発火しない。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 有機溶剤(有機溶媒)に溶ける (※ 有機溶剤=ベンゼン、アルコール類など) ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
「液比重が1より大きいものとは?」(水より重いもの)
品名 | 物品名 | 液比重 |
---|---|---|
特殊引火物 | 二硫化炭素 ここ暗記 | 1.3 |
第2石油類 | クロロベンゼン ここ暗記 | 1.1 |
酢酸 ここ暗記 | 1.05 | |
アクリル酸 | 1.06 | |
第3石油類 | ニトロベンゼン ここ重要 | 1.2 |
グリセリン ここ重要 | 1.3 | |
アニリン | 1.01 |
よく試験にでる!第4類に共通する特性
よく試験にでる!第4類に共通する特性について
1. 引火性の液体である
- 1. 第4類の危険物はすべて可燃性であり、常温(20℃)でほとんどのものが液状である。
- 2. 沸点の低い危険物は可燃性蒸気が発生しやすく、引火点も低く危険性が高い。
※ ジエチルエーテル 「沸点 35℃」「引火点 -45℃」 - 3. 引火点の低い危険物は、引火しやすく危険である。
- 4. 燃焼範囲の広い危険物は、危険性が大きい。(参考値)
二硫化炭素:1.0 ~ 50.0 vol%
アセトアルデヒド:4.0 ~ 60.0 vol%
ガソリン:1.4 ~ 7.6 vol% - 5. 燃焼範囲の下限値が低い危険物は、危険性が大きい。
二硫化炭素:1.0 ~ 50.0 vol%
ベンゼン:1.2 ~ 7.8 vol% - 6. 危険物が霧状の場合は、空気との接触面積が大きく燃えやすくなり危険性が増大する。
2.発火点の低いものがある
- 1. 発火点の低い危険物は、発火しやすく危険性が大きい。
- ※ 二硫化炭素 …… 90℃(第4類で発火点が一番低く、発火しやすい)
3.液比重は1より小さく、水に溶けないものが多い
- 1. 液比重が1より小さく、水より軽いものが多い。 ⇒ 火災時に水関係の消火器(棒状の水、棒状の強化液)を使用すると、消火できないばかりか消火液の上に燃えている危険物が浮いて火面が広がり危険性が増す。
- 2. 水に溶けないものが多い(非水溶性)
- 3. 水溶性の危険物(アルコール類等)は、水で希釈して濃度を薄くすると蒸気圧は低くなる。また、引火点は高くなり引火しにくくなる。
4.蒸気比重は1より大きい
- 1. 蒸気比重はすべて1より大きい(空気より重い) ⇒ 蒸気はくぼみや低所に滞留し、また、低いところへ流れる。
- 2. このため、遠く離れた場所(特に風下側)にある火源により引火する危険性がある。
5.静電気が発生しやすい
- 1. 第4類の危険物は、非水溶性で電気の不良導体(絶縁体)であるものが多く、静電気が発生し蓄積(帯電)しやすい。静電気の火花により引火することがある。
- 2. ガソリンスタンドで給油ノズルの流速を遅くすると、静電気の発生は少なくなる。
よく試験にでる!危険物の種類と代表的な物品
「法別表第1」は暗記しよう!
種類 | 性質 | 代表的な 物品 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 (固体) 不燃性 |
硝酸塩類 塩素酸塩類 過マンガン酸塩類 など |
第2類 | 可燃性固体 (固体) 可燃性 |
鉄粉 マグネシウム 金属粉 硫化りん 赤りん 硫黄 など |
第3類 | 自然発火性物質及び 禁水性物質 (液体または固体) 可燃性(一部不燃性) |
カリウム ナトリウム アルキルリチウム 黄りん など |
第4類 | 引火性液体 (液体) 可燃性 |
特殊引火物 第1~4石油類 アルコール類 など |
第5類 | 自己反応性物質 (液体または固体) 可燃性 |
有機過酸化物 硝酸エステル類 ニトロ化合物 など |
第6類 | 酸化性液体 (液体) 不燃性 |
過酸化水素 過塩素酸 硝酸 など |
種類 | 性質の概要 |
---|---|
第1類 | 物質そのもの自体は不燃性だが、他の物質を強く酸化させる性質を有する固体である。可燃物と混合したとき、衝撃、熱、摩擦を加えることによって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。 |
第2類 | 火炎によって着火しやすい固体。また比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり、引火しやすく、かつ、燃焼が速く消火することが困難である。 |
第3類 | 空気にさらされることにより自然発火するおそれがある。または水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。 |
第4類 | 液体で引火性があり、蒸気を発生させ引火や爆発のおそれがある。 |
第5類 | 固体又は液体である。比較的低温度で加熱分解等の自己反応を起こし、爆発や多量の熱を発生させる。又は爆発的に反応が進行する。 |
第6類 | 物質そのもの自体は不燃性の液体であるが、他の物質を強く酸化させる性質をもつ。他の可燃物と混在すると燃焼を促進させる性質を有する。 |
※ 第5類の危険物は、空気などから酸素の供給を受けなくても燃焼するのが大きな特徴である。