第4類危険物の第3石油類、第4石油類、動植物油類とは?
第3石油類、第4石油類、動植物油類とは?
- 第3石油類は、重油、クレオソート油のほか、引火点が70℃以上で200℃未満の石油類をいいます。
- 第4石油類は、ギヤー油、シリンダー油などの潤滑油のほか、引火点が200℃以上で250℃未満の石油類をいいます。
- 動植物油類は、動物の脂肉や植物の種子・果肉などから抽出したもので、引火点が250℃未満のものをいいます。ヤシ油、アマニ油などの種類があり、食用油やマーガリンの原料などに使われています。
第3石油類の性質
1. よく試験にでる!重油の性質
第3石油類の問題は非常に出題頻度が高いです。それぞれの特徴を確実に覚えて下さい。
※ 第3石油類とは、重油、クレオソート油その他、1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものをいう。
重油の性質 ここ暗記
- 引火点 … 約60℃~150℃
- 発火点 … 約250℃~380℃
- 液比重 … 0.90~1.00 (水よりやや軽い)
- 水溶性 … なし
- 褐色又は暗褐色の粘性のある液体
- 重油は、粘度等の違いによって、A重油、B重油、C重油に区分されている。
- 重油はガソリン、灯油、軽油と比べると、色が黒く、粘りがあり、引火点が高い。
よく試験にでる!主な第3石油類の性質
品名 | 液比重 | 沸点[℃] | 引火点[℃] | 発火点[℃] | 燃焼範囲 [vol%] |
水溶性 |
---|---|---|---|---|---|---|
重油 | 0.9 ~1.0 |
300以上 | 60 ~150 |
250 ~380 |
- | × |
クレオソート油 | 1.0以上 | 200以上 | 74 | 336 | - | × |
グリセリン | 1.3 | 291 | 199 | 370 | - | 〇 |
主な第3石油類の性質
- 非水溶性(重油、クレオソート油など)と、水溶性(エチレングリコール、グリセリンなど)があります。
- 重油は水に浮きますが、重油以外のものは水より重く、水に沈みます。
- 引火点が高いため、通常は加熱しなければ引火しません。ただし、燃え始めたときはすでに液温が高くなっているので、引火点の低い物質よりかえって消火が難しくなります。
- 指定数量は、非水溶性のものが2,000リットル、水溶性のものが4,000リットルです。
重油の性質 |
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褐色または暗褐色で粘性があり、揮発しにくい。 |
一般に水よりも軽い。水には溶けない。ここ暗記 |
重油は、粘度等の違いによって、1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)に区分されている。 1種と2種の引火点は、日本工業規格では60℃以上と規定されている。 |
いったん燃え始めると、液温が高くなっているので消火が困難な場合がある。ここ暗記 |
不純物として含まれる硫黄は、燃えると有毒ガス(亜硫酸ガス)を発生します。 |
クレオソート油の性質 |
---|
コールタールより製造する。 |
濃黄褐色の特異臭ある液体である。 |
水よりも重い。 |
水には溶けないが、アルコール、ベンゼン等の有機溶剤に溶ける。 |
よく試験にでる!主な第4石油類・動植物油類の性質
主な第4石油類・動植物油類の性質
1. よく試験にでる!第4石油類の性質
※ 第4石油類とは、ギヤー油、シリンダー油その他、1気圧において引火点が200℃以上250℃未満のものをいう。
- 1. 揮発しにくく(常温では蒸気は出ていない)、粘性のある液体である。
- 2. 一般に比重は、水より軽いものが多い。
- 3. 燃えているとき、液温が高くなっている(250℃以上で発火点に近い場合がある)ので消火が困難な場合がある。
2. よく試験にでる!動植物油類の性質
※ 動植物油類とは、動物の脂肉等又は植物の種子もしくは果肉から抽出したもので、1気圧において引火点が250℃未満のものをいう。
- 1. 一般に引火点は200~250℃である。
- 2. 燃えているときは、液温が高くなっているので消火が困難な場合がある。
- 3. ヨウ素価の大きい乾性油は、自然発火しやすい。
- 4. アマニ油等の乾性油は、ぼろ布等にしみ込んでいると自然発火しやすい。
区分 | ヨウ素価 | 品名 | 自然発火 の有無 |
---|---|---|---|
乾性油 | 130以上 | アマニ油 キリ油 |
しやすい |
半乾性油 | 100 ~130 |
なたね油 大豆油 |
- |
不乾性油 | 100以下 | ヤシ油 落花生油 |
しにくい |
覚える必要がある主な水溶性、非水溶性の危険物
- | 水溶性の危険物 | 非水溶性の危険物 |
---|---|---|
特殊引火物 | アセトアルデヒド 酸化プロピレン |
二硫化炭素 ジエチルエーテル |
第1石油類 | アセトン ピリジン |
ガソリン ベンゼン トルエン 酢酸エチル メチルエチルケトン |
アルコール類 | メタノール エタノール プロピルアルコール |
なし |
第2石油類 | 酢酸 | 灯油 軽油 キシレン |
第3石油類 | エチレングリコール グリセリン |
重油 クレオソート油 アニリン ニトロベンゼン |
第4石油類 | なし | ギヤー油 シリンダー油 タービン油 マシン油 モーター油 |
動植物油類 | なし | アマニ油 |
よく試験にでる!危険物の種類と代表的な物品
「法別表第1」は暗記しよう!
種類 | 性質 | 代表的な 物品 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 (固体) 不燃性 |
硝酸塩類 塩素酸塩類 過マンガン酸塩類 など |
第2類 | 可燃性固体 (固体) 可燃性 |
鉄粉 マグネシウム 金属粉 硫化りん 赤りん 硫黄 など |
第3類 | 自然発火性物質及び 禁水性物質 (液体または固体) 可燃性(一部不燃性) |
カリウム ナトリウム アルキルリチウム 黄りん など |
第4類 | 引火性液体 (液体) 可燃性 |
特殊引火物 第1~4石油類 アルコール類 など |
第5類 | 自己反応性物質 (液体または固体) 可燃性 |
有機過酸化物 硝酸エステル類 ニトロ化合物 など |
第6類 | 酸化性液体 (液体) 不燃性 |
過酸化水素 過塩素酸 硝酸 など |
種類 | 性質の概要 |
---|---|
第1類 | 物質そのもの自体は不燃性だが、他の物質を強く酸化させる性質を有する固体である。可燃物と混合したとき、衝撃、熱、摩擦を加えることによって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。 |
第2類 | 火炎によって着火しやすい固体。また比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり、引火しやすく、かつ、燃焼が速く消火することが困難である。 |
第3類 | 空気にさらされることにより自然発火するおそれがある。または水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。 |
第4類 | 液体で引火性があり、蒸気を発生させ引火や爆発のおそれがある。 |
第5類 | 固体又は液体である。比較的低温度で加熱分解等の自己反応を起こし、爆発や多量の熱を発生させる。又は爆発的に反応が進行する。 |
第6類 | 物質そのもの自体は不燃性の液体であるが、他の物質を強く酸化させる性質をもつ。他の可燃物と混在すると燃焼を促進させる性質を有する。 |
※ 第5類の危険物は、空気などから酸素の供給を受けなくても燃焼するのが大きな特徴である。