第4類に共通する消火の方法とは?
第4類に共通する消火の方法とは?
- 第4類危険物の火災は、一般に酸素供給体を取り除く「窒息消火」が適しています。
- 反対に、水を使った消火は適していません。第4類危険物の多くは水より軽く、水に溶けない性質をもっています。そのため、水をかけると油膜が広がってしまい、かえって燃焼が広がってしまうおそれがあるのです。
第4類の引火性液体(非水溶性の危険物が主体である)の火災に有効な消火剤(消火器)
第4類の引火性液体(非水溶性の危険物が主体である)の火災に有効な消火剤(消火器)とは?
- 霧状の強化液消火剤
- 泡消火剤
- ハロゲン化物消火剤
- 二酸化炭素消火剤
- 粉末消火剤
※ アルコール類の火災には、一般の泡消火剤を使用すると泡が消える(泡が溶解したり破壊されること)ので、水溶性液体用の特別な泡消火剤を使用する必要がある。
※ ガソリンの火災に水を使った消火は、棒状、霧状共に不適切である。
合格率アップのポイント
- 空気の供給を遮断するか、又は、燃焼を化学的に抑制して消火するのが基本である。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 空気の供給を遮断する例として …
泡消火剤で燃焼物を覆い窒息消火をする。
二酸化炭素消火剤で燃焼物を覆い窒息消火をする。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇) - 燃焼を化学的に抑制する例として …
ハロゲン化物消火剤を燃焼物に放射して、燃焼反応を抑制して消火をする。
粉末消火剤を燃焼物に放射して、燃焼反応を抑制して消火をする等。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇) - アルコール類、アセトン等の水溶性液体の消火には、水溶性液体用泡消火剤を使用する。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
- 一般の泡消火剤が、アルコール類等の水溶性液体の消火に使えない理由は?
水が主成分の泡が、アセトン等の水溶性液体に溶けて消えるから。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇) - 棒状の強化液消火剤は、第4類の危険物(非水溶性液体、水溶性液体)には使えない。 ⇒ こう出題されたら、答え(〇)
※ 第4類危険物の消火には、空気の供給を遮断する窒息消火、燃焼を化学的に抑制する抑制作用(負触媒作用)による消火が効果的である。
よく試験にでる!第4類に共通する消火の方法
よく試験にでる!第4類に共通する消火の方法
1.第4類に効果的な消火剤
- 霧状の強化液
- 泡
- ハロゲン化物
- 二酸化炭素
- 粉末
2.第4類に不適当な消火剤
- 液比重が1より小さい(水より軽い)危険物の火災に注水すると、危険物が水に浮いて火災が拡大するので適当でない。
- ※(重要) 水と強化液の棒状は、第4類の消火には使用できない。(棒状とは、ホースで水(消火剤)をかけること)
3.水溶性危険物の消火
- アルコール類やアセトン等の水溶性液体の消火に、一般の泡消火剤を用いても泡が溶解され消えるので効果がない。⇒ 水溶性液体用泡消火剤を使用する
よく試験にでる!消火剤と適応火災のまとめ
普通火災 … 木材 等
油火災 … 水溶性と非水溶性
電気火災 … モーター 等
消火剤の種類 | 主成分 | 消火方法 | 適応する火災 |
---|---|---|---|
水(棒状放射) | 水 | 冷却効果 (窒息効果) |
普通火災 |
水(霧状放射) | 水 | 冷却効果 (窒息効果) |
普通火災 電気火災 |
強化液(棒状放射) | 炭酸カリウムの水溶液 | 冷却効果 (窒息効果) |
普通火災 |
強化液(霧状放射) | 炭酸カリウムの水溶液 | 冷却効果 (窒息効果) |
普通火災 油火災 電気火災 |
泡消火剤(化学泡) | 炭酸水素ナトリウム 硫酸アルミニウム |
窒息効果 (冷却もあり) |
普通火災 油火災(非水溶性のみ) |
泡消火剤(機械泡) | 界面活性剤など | 窒息効果 (冷却もあり) |
普通火災 油火災(非水溶性のみ) |
ハロゲン化物消火剤 | ハロン1301 ハロン2402など |
負触媒効果 窒息効果 |
油火災 電気火災 |
二酸化炭素消火剤 | 液化二酸化炭素 | 窒息効果 | 油火災 電気火災 |
粉末消火剤 | りん酸アンモニウム | 窒息効果 負触媒効果 |
普通火災 油火災 電気火災 |
粉末消火剤 | 炭酸水素ナトリウム | 窒息効果 負触媒効果 |
油火災 電気火災 |
よく試験にでる!危険物の種類と代表的な物品
「法別表第1」は暗記しよう!
種類 | 性質 | 代表的な 物品 |
---|---|---|
第1類 | 酸化性固体 (固体) 不燃性 |
硝酸塩類 塩素酸塩類 過マンガン酸塩類 など |
第2類 | 可燃性固体 (固体) 可燃性 |
鉄粉 マグネシウム 金属粉 硫化りん 赤りん 硫黄 など |
第3類 | 自然発火性物質及び 禁水性物質 (液体または固体) 可燃性(一部不燃性) |
カリウム ナトリウム アルキルリチウム 黄りん など |
第4類 | 引火性液体 (液体) 可燃性 |
特殊引火物 第1~4石油類 アルコール類 など |
第5類 | 自己反応性物質 (液体または固体) 可燃性 |
有機過酸化物 硝酸エステル類 ニトロ化合物 など |
第6類 | 酸化性液体 (液体) 不燃性 |
過酸化水素 過塩素酸 硝酸 など |
種類 | 性質の概要 |
---|---|
第1類 | 物質そのもの自体は不燃性だが、他の物質を強く酸化させる性質を有する固体である。可燃物と混合したとき、衝撃、熱、摩擦を加えることによって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。 |
第2類 | 火炎によって着火しやすい固体。また比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体であり、引火しやすく、かつ、燃焼が速く消火することが困難である。 |
第3類 | 空気にさらされることにより自然発火するおそれがある。または水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。 |
第4類 | 液体で引火性があり、蒸気を発生させ引火や爆発のおそれがある。 |
第5類 | 固体又は液体である。比較的低温度で加熱分解等の自己反応を起こし、爆発や多量の熱を発生させる。又は爆発的に反応が進行する。 |
第6類 | 物質そのもの自体は不燃性の液体であるが、他の物質を強く酸化させる性質をもつ。他の可燃物と混在すると燃焼を促進させる性質を有する。 |
※ 第5類の危険物は、空気などから酸素の供給を受けなくても燃焼するのが大きな特徴である。